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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2016/01/25 (Mon)21:34






 第4紀174年、ハンマーフェル北部の都市スカベンの陥落に成功したトレーズは、死傷者を運びだしたあとの要塞にて開かれた祝宴に参加していた。
 アリクル砂漠の踏破と、帝国軍との戦闘でハンマーフェル方面軍はかなり消耗していたが、状況が厳しいのは帝国軍も同じであり、またこれまでの進撃が順調だったことから、あまり悲観視はしていなかった。
 緊張した状態が続いたあとのアルコールの効果はすごいもので、張り詰めた空気から解放された同僚たちにトレーズも笑顔を向ける。
「情報部によれば、デシアヌス将軍はシロディールに呼び戻されたらしい。あっちでも同胞は随分と活躍しているらしいな、すでに帝都まで迫っているようだ」
「ハンマーフェルに残されたのは、行軍に耐えられない負傷者ばかりだそうだ。所詮は人間の力などこの程度のもの、こっちの戦線もいただきだ!シロディールへ向かった連中にばかり良い顔はさせないさ」
 そう言って、トレーズは仲間と手を打ち合わせた。
 これまで数々の戦いを生き抜いてきたアルドメリ軍の精鋭に、苦難などない。トレーズはそう思っていた。
 しかし情報部は間違っていた。いや、デシアヌス将軍はたしかにシロディールへ「負傷者を現地に残していく」と通達しており、情報部はそのときに用いられた書状を見たうえで報告したため、厳密には過ちではないのだが、しかし、現実は違った。
 いままさに帝都が陥落せんという状況で、使える兵をハンマーフェルに残してきたなどと知れたら、自身の立場が危うくなる。
 そういう理由で、デシアヌス将軍はスカベン奪回のために準備していた精鋭軍を「負傷兵」と偽って報告し、作戦実行に不備がないよう入念に計画を練っていたのだ。
 スパイへの対策も兼ねてのことだったのか、それはわからない。
 しかし情報部の報告から判断を誤ったアルドメリ軍は、しばらく帝国軍からの攻撃はないものと断定してしまった。それが致命的なミスだった。

「敵襲だーーーッ!!」
 トレーズが仲間の動揺しきった叫び声を聞いたのは、星明りが燦々と輝く真夜中だった。
 敵襲、だって?こんな時間に?
 …こんなに早く?
 少数の雑兵が紛れ込んだところで、なにほどのこともあらん…そう考えるには、あまりに仲間の混乱がひどく、血の匂いが要塞内部に濃厚に漂っていた。
 やがてトレーズが眠っていた部屋の扉が開かれ、黒い影が一つ、飛び込んでくる。


 窓から射す月明かりを反射し、曲刀がきらめく。
 砂漠の民、アリクルの戦士のシルエットが、半裸のまま飛び上がったトレーズの網膜に焼きついた。
 …私の鎧は?剣は!?
 動揺したトレーズが自らの装備を探ろうとしたとき、目前の男が躊躇なく、刃を振り下ろし…
「うわあああぁぁぁぁあああああっっっ!!!!」








 自分の悲鳴で目を醒ましたトレーズは、汗がじっとりと滲む額に手をあて、深呼吸をしてどうにか気持ちを落ち着かせようとする。
「いまのは…夢……?」
 いやに生々しく、現実感、真実味のある夢。
 物の感触すら容易に思い出すことができる。あの戦勝ムード、友人の笑顔、酒の味。暗闇、悲鳴、血の匂い、寝る前まで他愛のない話をした戦友の首が転がって、私は…
 これは、ただの夢じゃない。わかっている。
 あのときの記憶だ。いま自分がこうして生きているということは、あのまま殺されずに済んだということだが、自分がどうやってあの危機を脱したのか…いや、魔法だ。魔法を使ったんだ。
 自分は生きている。生きて、ここにいる。
 戦争はもう終わった。別に執着するつもりもない。他にもっと危険な目に遭ったこともあるし、あのとき自分の命を狙った兵士よりもっと憎いヤツだって、幾らでもいる。
 なのに、なんで忘れられないんだろう。あんな日のことを。








 宿屋シルバーブラッドで最悪の寝覚めを経験したトレーズは、マルカルスの首長イグマンドと謁見し、ちかごろ北方で強力なアンデッドの出没が目撃されていることを知らされる。
 向かうはヴォルスキーグ、スカイリム各地に点在する古代ノルドの墓の一つ。
 現在のトレーズの使命は周辺地域の治安維持、市民生活を脅かす者であれば山賊だろうが死人であろうが、等しく彼女の剣にかかることになる。
 邪魔者をことごとく斬り伏せ、周到に張り巡らされた罠、施設に元から存在していた仕掛けを解き、到着した玉座の間にてトレーズを待ち構えていたのは、死人の王…ドラウグル・デス・オーバーロードだった。


『フス…ロ、ダーーーッ!!』
 アンデッドの口から吐き出された暴風の如き声がトレーズを襲い、吹っ飛ばされた彼女は床の上をゴロゴロと転がされる。
 剣を突き立てて動きを止め、慌てて立ち上がりながら、トレーズは苦々しい表情でつぶやいた。
「シャウト、キナレスがノルドどもに与えた竜の言語か。下品な力使いやがって…!」
 エイドラ信仰そのものはアレッシアが八大神信仰という形に纏めるよりも先にアイレイドに浸透しており、基本的にトレーズもエイドラ信仰には寛容だったが、それでもアイレイド滅亡と人間による大陸の支配、その文明の繁栄に手を貸したアカトシュとキナレスに対してはやや複雑な感情を抱いていた。
 そもそもタムリエルに移住したアルトマーは、サマーセット島で禁止されていたデイドラの信仰を目的に分裂した異端の勢力ではあったのだが、それでもエイドラ信仰を捨てたわけではなかった。
 我々では、いけなかったのか。
 あまつさえペリナル・ホワイトストレークなどという怪物を遣わしてまでアイレイドを滅ぼそうとしたキナレスの成果の一つを前に、トレーズは怒りの感情を噛み締めながらドラウグル・デス・オーバーロードに立ち向かった。
「屍と化した貴様にはわからんだろうがな…その力は、不愉快だぞ…!!」
 ふたたびシャウトを放とうとドラウグル・デス・オーバーロードが開けた口に剣を突っ込み、そのまま、力任せに刃を引き下ろし、喉と胴を裂き斬る。


 メリディアの加護を受けしナリル・モリの魔剣が死人の気配を感知し、ドラウグル・デス・オーバーロードをアンデッド殺しの炎に包み込んだ。
 ドガッ、バアァァーーーンッッ!!
 爆発音とともに灰と化したドラウグル・デス・オーバーロードが吹っ飛び、亡者の着ていた鎧だけがその場に残される。
「まったく…死人は大人しく眠っておればよいのだ」
 剣を背の鞘に収め、トレーズはあたり一面に散らばった灰に向かって憎まれ口を叩く。
 なるほどたしかに強力な敵だった、こんなものを野放しにしていては街道の通行もままならんだろう。
 「すでに目標は達した」と思い込んでいるトレーズはそうひとりごちると、来た道とは別の、玉座に繋がる(恐らくは隠された)通路を抜け、外へ出る。
 空はすでに暗く、雪が降っていた。

 まだ終わっていないと知るのは、そう後のことでもなかった。
 シャウトを記した言葉の壁を見つめるトレーズの背後で、棺の重い蓋を開けて何者かが飛び出す。
「…… …… …ッ!?」
 ただならぬ気配を察知したトレーズは振り向きざまに剣を振るったが、その一撃は魔法によって鋼鉄よりも固くなった怪物の外殻によって阻まれてしまった。


「こいつ、は…何者だ!?」
 氷撃魔法の直撃を受け吹っ飛ぶトレーズは、ドラウグルともまた違う異様な姿の怪物に目を見開く。
 それが、かつて竜の加護のもと人々を支配していた賢者たち…ドラゴン・プリーストとの邂逅だった。
 トレーズの鎧は幾らかの魔法を吸収する力を持つが、それでも強力な魔力を内包するドラゴン・プリーストが放つ魔法の数々を受け、あまつさえこちらの剣が通じないとあって、楽観視はできない…どころか、生命の危機に瀕していた。
 死ににくいからといって、それは死に行く者への慰めにはならない。
 もしや、あの夢は自らの死の予兆だったのでは…そんな悪寒を抱き、トレーズは恐れを振り払おうと剣を握りなおす。
 彼女の最終的な目標はタムリエルにおけるすべての人間の排除、ふたたびエルフが支配する世界を築き、滅亡したアイレイドの氏族リンダイを復興させること。
 それを…
「我に漆黒の弓を授けよ、我に野望の矢を授けよ。雲を切り裂く長槍と、闇に包まれし馬を授けよ」
 ふらりと立ち上がり、何事かを唱えるトレーズを、ドラゴン・プリーストは奇異なものを見るかのような様子で見つめる。
「我が魂は不屈なり、我が手の剣は休むまじ。いざアルドメリをうち建てん、緑華やかなりしタムリエルに…」
 カチャリ、トレーズの握る剣に真紅の光が集束し、やがて刃全体が光の塊となってまばゆい輝きを放つ。
「こんな…こんな場所でなあ…貴様なんぞに、手を、煩わされてたまるものか…ッ!」
 やがてその危険性に気づいたドラゴン・プリーストは持てるすべての魔力を自らの身体に集束させ、あらゆる攻撃をも防ぐ防護シールドを構築する。これには、たとえ竜の牙の一撃であっても傷をつけることはできないだろう。
 事実、一撃、二撃、三撃…トレーズの魂を込めた斬撃のことごとくが防がれ、ドラゴン・プリーストはトレーズが力を失うのを待ってからトドメを刺せば良いだけの話、そのはずだった。
 しかしトレーズの鎧から、彼女が今まで殺し奪い取ってきた生命のエネルギーと、竜の魂が剣に集まると、ドラゴン・プリーストは予想外のその力に慄いた。
 新たな対処や反撃の隙を与えず、トレーズが剣を振り下ろす。
「無垢なる熱情、真理への道。止めさせはしない…デイゴン・メルディ( Destruction Driven )!!」


 バギンッ!!
 強烈な一撃にドラゴン・プリーストの魔力装甲が打ち砕かれ、青白い炎が周囲の空間ごと干乾びた肉体を包んで燃え盛る。


 それはこの世に存在してはならない、死せる者のみを焼き払う浄化の炎。
『馬鹿な、竜の司祭であるこの私が…こんな…形で、完全、に…消滅……』
 悔恨の言葉がかき消え、あとに残されたのは灰の山と、醜い素顔を隠していた仮面のみ。
 立て続けに強敵と戦ったトレーズは困憊し、その場に座りこんだ。
「ハァ…とんだ苦難だ。だが、土は踏むほど固くなる。決意も、困難が大きいほどに…我が栄光の礎となるがいい、古の司祭、亡者の王よ」
 トレーズはしばらくその場で休んだあと、マルカルスに戻るべく腰を上げた。







「なんだ、この箱は」
 道中、たまたま発見した宝箱の鍵をこじ開け、中身を確かめるトレーズ。
「宝石…ではないか。石っころ?しかし、どこか手の込んだようなカットだな」
 宝箱の中に入っていたのは、石膏のような素材でできた白くて丸い石だった。軽くもなく重くもなく、冷たいようで温かい。しかし宝飾品としての価値はないように思えた。


 ゴミを後生大事に持ち歩く趣味はないゆえ、それを箱に戻そうとしたとき、トレーズの脳裏に何者かの声が響いた。
『定命の者よ、我が言葉をしかと聞き届けるがよい。そなたには果たさねばならぬ使命がある』
「…この声は……?」
『我が名は、メリディア』
「…メリディア…様!?」
『いま、あなたが手にしている我が灯火をキルクリース山まで持ち帰りなさい。そこであなたの信心を確かめるとともに、詳しい内容を伝えましょう』
 声はそこで終わってしまった。どうやら女性のようだったが…
 それよりも、メリディアという名前にトレーズは聞き覚えがあった。16あるデイドラ・ロードの一人、生命を司るもの。トレーズの祖先であるリンダイの氏族とも深い関わりのある神だ。
 そもそも戦いで幾度となく命を助けられたこの剣こそ、かつてメリディアが不死なる者を滅ぼすためリンダイの騎士に授けたものなのだから。
 奇妙な予感に胸を昂ぶらせながら、トレーズの足はマルカルスではなくキルクリース山へと向かっていた。



>>to be continued...








 どうも、グレアムです。じつは先日、いままでのセーブを破棄して最初からやり直してました。
 いや装備の性能とかレベリング設定がややチートすぎて、プレイしていてまったく緊張感がなくなってしまったので。プレイに緊張感がないとリプレイ(と言っていいのか…)も気の抜けたものになりそうで、感情移入ができなくなりそうだったので、つい。
 現在は装備の性能を大幅に落とし、符呪と鍛冶禁止、レベリングもスキル習得速度を少し上げた以外はバニラのままで進めることに。チート鍛冶禁止でおそらくアーケイドよりも厳しい戦いになるはずですが、まあこれはこれで。




 ついでにトレーズの絵も描いてみました。といってもこれほとんど元のMod装備そのままなんですが。俺女の子が描きたかっただけのはずなのになあ…
 ややヘルメットが大きかったり等身が低めなのはわざとやってます。ガッツリ鎧着込んでいるうえインナーが鎖帷子なので、全部脱ぐとフォルムが細くなって等身が上がるはずなので。無駄なリアリティの追求。
 スカイリム用のキャラじゃなければ銃とか持たせたいデザインなんですけどね。スパスとか。メシアンとかガイアーズとかそんな感じで。メガテン的終末世界といえば、装備の元ネタのロンドン地獄門が丁度そんな感じだったりするんですけど。
 西洋鎧&銃火器といえばE.Y.Eもあるんですが、あれも宗教同士の対立がメガテンのメシア教とガイア教の争いみたいですよね。まあE.Y.Eの場合は内部組織同士の内ゲバなんですけども。
 こんな話をはじめたのは、じつは最近GBA版のメガテン2をはじめたからだったりするんですが…どうやってキャラ育成したもんだろう。あとカジノで取った高級装備の数々を与えたヒロインが早々にパーティ抜けて泣いた。違う女の子が加入したけど、またカジノで稼がにゃいかんのか…とドンヨリしたところで止まってます。













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