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主にゲームと二次創作を扱う自称アングラ系ブログ。 生温い目で見て頂けると幸いです、ホームページもあるよ。 http://reverend.sessya.net/
2024/04/24 (Wed)12:43
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2016/10/25 (Tue)01:14





 俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
 とりあえず盗賊ギルド絡みのいざこざを解決しなけりゃならないんだが、前盗賊ギルドマスターのガルスが遺した手がかりを探すついでにウィンターホールド大学に寄ったりしたらまた色々とクエストが増えたりなんかしちゃったりして、参ったねどうも。
 ただでさえ随分と前から引き受けたっきり見向きもしてない仕事があったりしてね。サーリアからケマツの始末を頼まれたのなんか、あれ、いつだったっけね。もう死んでるかなあ、サーリア。あっはっはっ。
 そんな感じで、ドラゴンは世界を滅ぼしたがるわ、ノルドは内戦で殺しあってるわ、エルフは暗躍するわ、どうしようもない状況でのんびりやっております。それじゃあ、今回もはじめましょうか。










「ここ、一度攻略したはずなんだけどなあ。何か見落としてたかな?」
 そんなことをつぶやきつつ、俺は相棒の女戦士ボルガクを伴ってドゥーマーの文明跡が残るアルフタンド氷河の遺跡を捜索する。
 本来ならばウィンターホールド大学で受けた、サールザル捜索の仕事を先に片づけるべきなのだが、たまたま通りがかったこの遺跡にクエストマーカーが刺さってたもんだから、これは調べないわけにはいかない。
 ただでさえブランクが長かったのと、大小多様なクエストがごっちゃり溜まってるのもあって、いったい俺はこの場所に何の用があったのか、なんてサッパリわかりません。シロディールではねぇ、クエストジャーナルが親切だったので、いつ冒険を再開しても状況の把握は難しくなかったんだけどねえ。この愚痴、なんか毎回言ってる気がするよ。
「ボヤいてないで、さっさと進むぞ」
 と、ボルガクさんも申しております。アイヤサイサイ、あんまり魔術師たちを雪の中で待たせるのも悪いし、手早く用事を済ませてしまいましょう。






 もとがドゥーマー遺跡だけあって、施設警備用の自動人形のほか、重武装のファルメルやシャラウスが徘徊している。ただでさえファルメルは勘が鋭いので、山賊やなんかと違って隠密からの暗殺がやりにくい。毎回トチっては血みどろの刃傷沙汰になるのだが、今回は近接戦エキスパートのボルガクが一緒に行動しているので、幾らか進行はラクである。彼女、トラップに片っ端からかかっていくけど。
「毎回、洞窟っていうと私を置いてけぼりにしおって。そう隠密行動の邪魔にもならんし、きっちり役に立つだろうが?」
「あ、はい。大変に感謝しておりますよ本当にねえ姐さん。迷子にだけはならんでくださいよ、探すの面倒なんで」
「ヒトを子犬みたいに言うな!」
「しかし何だねえ、このファルメルってのは悪趣味だよねえ。見なよこの処刑台、人間が解体されて骨だけになってる。たぶん、遺跡探索隊の誰かなんだろうけど。ま、身の丈に合わんことはするなってぇ神様の警告かね」
「神様?」
「ゼニタール神様ね。野心成就も金儲けもほどほどにしないとね」
「銭亡者の貴様がそれを言うか…」
 呆れ顔でそうつぶやくボルガクに、俺は知らん顔を決め込む。
 遺跡には発掘隊だか調査隊と思しき連中の痕跡があちこちに残っていたが、そもそも自分がなんでこの場所にいるのかわからない俺に、こいつらの素性や目的がわかるはずもない。
 わかるのは、手柄を巡って仲間割れしてたらしいこと、そして連中は全員死んでいるということだ。










 ドワーフの仕掛けを作動させ、向かった先の研究室にて死体を発見。機械人形が放ったと思しき鋼鉄製のボルトを身体に受け絶命した骸骨の所持品から手がかりを発見する。
「こいつは…シンデリオンだ……!」
「しんで…なんだって?」
「シンデリオンが死んでるよん」
「おいおい」
「こいつはシロディールの魔術師だよ。アルトマーだ。錬金術の第一人者で、たしかニルンルート研究の専門家じゃなかったかな。なんだって、こんなけったいな場所にいるんだ」
「おまえ詳しいな」
「いや、職業柄ね。ホラ、俺、昔シロディールで行商やってたからさ。錬金術の材料とかよく売れるんだよ、魔術師相手に右から左へ流すだけでも」
 かつてシロディール西方の都市スキングラードで活動していたシンデリオンは、旅人が持ち帰ってきた赤いニルンルート…「クリムゾン・ニルンルート」の存在を知り、その研究のためにここブラックリーチまで来たらしい。
 彼の遺した手記を捲りながら、生前に世話になっていたらしい人物に記述が及ぶと、俺はピタリと手を止めて内容を注視した。
「サレシ農場…ニルンルート栽培…研究に30束のクリムゾン・ニルンルートが必要、か…」
 どうやらシンデリオンの研究を手伝う協力者がいたらしく、その人物は世界ではじめてニルンルートの栽培に成功したらしい。
 ブラックリーチにしか自生していないクリムゾン・ニルンルートを研究するにあたって、シンデリオンは必要な量を30束と記していた。すでに彼は亡くなっているが、ひょっとすれば、その協力者に彼の研究を託せるかもしれない。少なくとも、手向けにはなるだろう。
「これは商売の臭いがするね…ちょいと、探してみますか。クリムゾン・ニルンルートってやつを」






「しかしこれは、凄い光景だな…」
 シンデリオンの研究室を出た俺たちはブラックリーチを一望し、その現実離れした幻想的な光景にしばし目を奪われる。
「これも古代ドワーフ文明の名残か…自然のものじゃねぇよなあ」
 ここにはクリムゾン・ニルンルートだけではなく、多量の鉱物資源が埋蔵されていた。表面に露出しているものを削り取っただけでも、かなりの数になる。
 鋼玉、黒檀のみならず、なんと魂石までが採掘できたときは、さすがの俺も驚いた。
「魂石の鉱源なんか、初めて見たぜ。あれって俺は、魔術師がこしらえた人工物だと思ってたんだが、天然資源だったんだなあ…黒魂石までもか。いや、勉強になるねえ」
 もちろん、こんな場所がたんに貴重な天然資源溢れるユートピアであるはずもない。






「ウィスプマザーか。今度は一話目のようにはいかねぇぜ!」
 ファルメルはもとより、センチネル・タイプのドゥーマー製自動人形、ウィスプマザー、さらには巨人までもが跋扈している。
 光源そのものは少なくないが、それでも昼間と違わず物が見えるというわけにはいかず、薄明かりの中での戦闘はやはり、「視覚に頼って戦う者」には不利に働く。






 おまけにこのブラックリーチの洞窟、やたらに広い。とにかく広い。高低差もあり、思わぬ位置から弓の狙撃を受けることもある。
 慎重に歩を進めながら、俺とボルガクはクリムゾン・ニルンルートの採集を続けていく。
 やがて捜索範囲が遺跡の屋内まで及ぶと、俺は驚くべきものを目にすることになった。






「トカゲパンチ!人間は死ぬ!」
 弓を利用した組み手で相手の動きを封じ、俺はノルドの男の顔面に容赦なく拳を叩き込む。
 こいつらは野盗や賊の類ではない。調査隊でもない。なんとファルメルに使役されている人間だった!
 基本的にファルメルは人間を生かさず、シャラウスの餌にするか、戯れに殺すかの二択しかない。
 このように生かしたまま使役するなどという光景をはじめて見た俺は攻撃を躊躇していたが、人間たちに一切のためらいがないのを見て、拳を振り上げた。
 弓を持ったまま接近され…普通の弓使いなら、それでニッチもサッチもいかなくなってお仕舞いだろう。しかしだ、幼少期にブラックマーシュ裏街道仕込みのダーティ・ファイトを会得した俺に、「弓が相手なら接近すればこっちのもの」なんて常識は通用しないんだぜ。
 まあ、普通に鎧で身を固めた戦士が相手なら歯が立たなかったけどさ。
 けっきょく彼らがファルメルに付き従う、その内情を知ることはできなかった。これはそのうち、自伝でも書くときのネタに使うとしようか。










 クリムゾン・ニルンルートの採集を終え(ものすごい面倒だったぜ!)、ムザークの塔と呼ばれるドゥーマー遺跡の一区画に侵入した俺は、そこで奇妙な装置を目にする。
「これ、どっかで似たようなモンを見た覚えがあるなあ。それも最近…アレかな、セプティマス・シグナスだかマグナムだかいう、ちょっと頭が残念な研究家のジーサマの関係かな。辞書がどーたらこーたら言ってたが…よく覚えてねぇなあ」
 たしか、ボルガクにヌミディウムどうのと話した記憶はあるんだが。
 とりあえず機械を適当にいじくり回し、装置を作動させる。






 中から現れたのは…
「おいおいおい、こいつぁ…星霜の書(エルダー・スクロール)じゃねぇか…!」
 あまりにも意外な発見に、俺の手が震える。
 星霜の書。
 この世の理(ことわり)のすべてが記されていると言われ、それを読んだ者は目を奪われるという。文字通りに…本来なら、国が最厳重体制で管理すべきものだ。
 手にしたのがドラゴンボーンたる俺だったのは、この世にとって幸(さち)なるか、あるいは災いを呼ぶか…
「そうか、俺、これを取るためにここに来たのか」
 この段にきてようやく俺は自身の目的を思い出す。
 とりあえず用事をすべて片づけたところで…しかし、まずはシンデリオンの縁者にクリムゾン・ニルンルートを渡す必要があるだろう。訃報を届けねばなるまいし、だいいち植物ってのはあれでかなり嵩張る。くさいし。身体が青臭くなってしまう。










 遺跡を出た俺とボルガクはサールザルへは向かわず、シンデリオンの縁者が運営しているという農場へ直行した。
 農場へ到着したのも束の間、俺たちは山賊とドラゴンの両方から同時に襲撃を受ける。なんだこれ。






 サレシ農場は、モロウィンドを逃れたダンマーによって運営されていた。
「いつかこんな日がくると…」残された者にお決まりの台詞だが、いくら聞きなれても気分が軽くなることはない言葉だ。
 シンデリオンの死を知らされた農場主アブルサ・サレシは彼との思い出を語ったあと(何十年も同棲していたらしい。恋仲であったかどうかまではわからないが)、クリムゾン・ニルンルートを受け取り、シンデリオンの著作や、彼の考案した魔法を俺に託した。
 そのうちニルンルートを買いつけに来るかもしれない、と伝えて、俺は農場をあとにした。





【 →To Be Continue? 】








 どうも、グレアムです。
 とりあえず溜まりまくったクエストを消化していかなければなるまい、というので、とりあえずどうでも良さそうなものを解決していこうとしているんですが、今回思わぬ長丁場になりました。
 ていうか広いよ!ブラックリーチ!探索にえれぇ時間かかりましたもの。
 おまけにうっかりエルダースクロールなんか手にしちゃって、試しに読んだらなんか呪いのエフェクトっぽいものが表示されてビビッたんですが、後遺症とかクエストへの影響は特になさそうですね。DOS時代なら絶対死んでるよなぁコレ。甘い時代になったもんです。念のためセーブは取ってから実行したんですが。

 シンデリオン、オブリビオンにも出てきましたね。名前からして死相が出てますよね。













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2016/10/23 (Sun)03:55





 俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
 盗賊ギルドに所属していた俺はギルドマスターのメルセルに嵌められ、危うく命を落としかけた。同じくヤツの罠にかかって逃亡生活を送っていた女盗賊カーリアに協力することになった俺はメルセルに殺された前ギルドマスターのガルスが残した手がかりの謎を掴むため、ウィンターホールドへと向かう。
 ウィンターホールドの宿屋にて、相棒のボルガクにちょいと長い昔話をしたところから物語は再開する…










 しばらくウィンターホールドの宿屋「フローズン・ハース」に張り込んでいた俺たちは、数日後に探していた人物エンシルを発見する。彼はウィンターホールド大学の魔術師で、生前のガルスと親交があった人物だ。
 事情を説明し、得体の知れない文字で書かれたガルスの手記を渡す。
「ガルスは私の個人的な友人だった。ギルドの事情は知らないが、謀殺されたとあっては見てみぬふりをするわけにもいくまい。ふむ…これは、どうやらファルマー語で記されているようだな。スノーエルフの言語だ」
「ん、ちょい待ち。いまファルマーをスノーエルフと言った?」
「ああ。ファルマー、あるいはファルメルはかつてスノーエルフと呼ばれる種族だった。彼らはノルドとの戦争に敗れ、地下深くに潜ったところでドワーフと遭遇し、彼らの奴隷となった。かつて美しい姿だったスノーエルフがあのような醜い姿に変貌したのは、ドワーフのファルメルに対する過酷な扱いを象徴しているのだろう」
「なるほどねぇ…ドゥーマーの遺跡に棲んでることが多いのはそういうわけかい」
「詳しく知りたければファルメル研究の本を買うといい。安くしておくぞ?」
「商魂逞しいな!一冊ください」
 そんなやり取りを挟みつつ、やがてエンシルは言った。
「おそらくガルスはファルマー語に関係する、何らかの仕事を計画していたのだろう。が、あいにく私はファルマー語が読めない。ドゥーマー研究の第一人者である、マルカルスの老カルセルモなら解読できるかもしれない」
「あのドワーフフェチのジーサマか。マルカルス…あんまり行きたくないなぁ」
 かつて俺はフォースウォーン絡みのイザコザに巻き込まれ、マルカルスでは大変な目に遭っている。シドナ鉱山に幽閉されていたフォースウォーンの一味の脱獄の手助けをした嫌疑をかけられているし、正直、あまり近寄りたくなかった。
 脱獄したマダナックは後日、俺自身の手で始末したんだけどね。
「まあ、この状況を放っておくわけにもいかんしなー。盗賊ギルドでのシノギを続けるためにも、メルセルのおっさんにはキッチリけじめをつけてもらわんとのー」

 といって、寄り道好きな俺のこと、すぐにマルカルスへ向かうはずもなく。






「あらためて一望すると、大変な光景だねぇこりゃ」
「大崩壊の爪痕か。村の住民は魔術大学が引き起こした災厄だと言っているが、実際のところ、どうなのだろうな」
「不良学生のつまらない実験で起きたって可能性もなくはないけどね。あるいは内部に入り込んだアルドメリのスパイによる破壊工作か。けどまあ、たんなる自然災害だと思うけどなあ」
 ウィンターホールド大学へと向かう道すがら、半壊した街の惨状を前に俺とボルガクは意見を交わす。
 もともと脳筋、筋肉至上主義なノルドたちは魔法に対する不信が根強い。
 大崩壊と呼ばれる災害が街を襲い、それが過ぎ去ったあと、大学の建物だけが何の被害もなかったようにピンピンしていれば、まあ、ノルドたちが大学の魔術師たちを疑うのも無理はないだろう。なにせ魔術師たちは好奇心と探究心が旺盛で、彼らの実験で街の住民が迷惑を被ることもあるのだから。
 とはいえ、かつてウィンターホールドが栄えたのは大学の威光あってのことだし、大戦の際には積極的にアルドメリとの戦いに参加した魔術師たちにとっては甚だ面白くない話だろう。






 大学の魔術師であるファラルダに案内され、構内へと入る。
「見て見てボルガクさん、凄い像だねぇ。躍動感溢れるというか、このローブの造型を見てくださいよ。マクファーレンって感じ」
 ちなみにウィンターホールド大学は誰でもその敷地を跨げるわけではない。本来ならば適性を証明するための試験を受ける必要があるのだが、なんか面倒臭そうだったので、口八丁で適当に誤魔化した。
 晴れて魔術大学の一員となった俺は簡単なテストを受けたあと、ミーティングでサールザルの遺跡へ向かうよう指示される。
「サールザルといやあ、俺が集めてるゴールドール・アミュレットの最後の一片がある場所じゃないの。カギかかってて入れなかったんだよねえ、まさか大学の所有地だったとはなあ」
 もとより用があった場所、なんという好都合。
 ついでなので、書庫で本の取引をする。
「おっさん、妖精族の一巻と二巻ある?」
「残念ながら」
「そっかー…」
 申し訳なさそうに首を振る書物の管理人、オークのウラッグ・グロ・シューブ。
 おそらくは資料的価値のないもの、あるいはダブッたものを販売しているのだろう、そのへんの本屋より貴重品が入ってくる可能性は高そうだが…
「気長に探しますか」
 ちなみに妖精族とは、アルゴニアン報告を書いたウォーヒン・ジャースの著作の一つで、魔法の羽ペンに人生を狂わされた書記官の物語だ。特にレアものだと聞いた覚えはないが、俺はいまもって最後の三巻目しかお目にかかっていない。読んだ瞬間に引き込まれ、碌に値段も確認せず購入したのだが、果たして一巻と二巻が手に入るのはいつになるやら。










 大学を出てサールザルへ向かおうとしたとき、エルダードラゴンの襲撃を受ける。
「巨大トカゲめ…空を飛び回ったところで、攻撃が当たればどうにでもなるってことを教えてやるぜ!」
 満点の星空の下、巨大なドラゴンとの激しい攻防を制した俺は相手から魂を吸収する。たまに忘れそうになるが、俺は伝説のドラゴンボーンなのだ。










「やったか!?」
「おうよ」
 遠方から弓で援護してくれていたボルガクに、俺は余裕の笑みでこたえる。
 なにより今回はドラゴンの狙いが俺たちではなく、周辺を徘徊していたフロスト・トロールだったこともあり、さしたる苦戦もせずに葬ることができた。戦利品はたったの金貨五百枚だったが。







 ふたたびサールザルへ向かう道中にて、サイトレス・ピットという洞窟を発見したので、ボルガクを入り口に残して内部に侵入する。






 入り口には山賊たちの死体が三つほど転がっていた。
「弓で致命打を受けているな。こいつは…ファルメルの矢か?」
 厄介だな…俺は舌打ちする。






 先へ進んだところでシャラウスを引き連れたファルメル・ウォーモンガーと対峙、激闘の末にこれを破る。
「まさかドゥーマーの遺跡と繋がっていたとはな…ファルメルがいるはずだぜ。いてて…うっかり二刀流で斬りかかったらこのザマだ、強いんだよ、こいつら。たいしたモン持ってないくせによ。ひょっとしたら、さっきのドラゴン相手より苦戦したんじゃないのか…」
 ひさしぶりの活動とあって勝手を忘れており、不慣れな近接戦闘での大惨事である。
 その後は隠密弓による狙撃で慎重に敵を葬りながらの行動となった。






 プラネタリウムのような輝きを放つ天井は一見して幻想的だが、その正体はシャラウスの分泌した体液であり、実態は幻想とは程遠い。
「ドゥーマーの宝箱もなー、仕掛けは凝ってるんだけどなー。これでけっこう、ガラクタしか入ってなかったりしてね。労力に見合わんよなあ」
 サイトレス・ピットの深層、洞窟に巣食うファルメルたちを一掃してのトレジャー確保。
 有り余る財宝を期待したいところだが、そんなにうまい話はそうそうあるわけがない。たいした物が手に入るでもなく、ほぼ骨折り損のままの脱出と相成った。






 外に出て深呼吸、空気がうまい。冷たい風が吹きつけるも、吹雪はやみ、空はすっかり明るくなっていた。
「ちょうどいいや、ここいらの夜は暗すぎて、前が見えないもんだからね。写真うつりも悪いし…まあそれはともかく、ボルガクさんを呼んで、サールザルへ向かうとしますか」

 寄り道ばかりのトカゲ旅、大団円を迎えるのはいったい、いつになるやら…





【 →To Be Continue? 】








 どうも、グレアムです。超ひさしぶりのSkyrim記です。
 あんまりひさしぶりなもんで、基本操作の確認からはじめていたもんですから、とりあえず肩慣らしにとダンジョン一つ攻略しての短い記事となりました。
 なんせ前回から半年ぶりですもん。なにがなにやらですよ。
 じつは思いつきでちょっとしたMODを作ったんですが、今回はお披露目の機会がなかったので、次回にネタを一つ持ち越しとします。














2016/04/02 (Sat)23:55






井戸って地面含めて単体のオブジェクト扱いなんだ…







 どうも、グレアムです。別のゲームやってて若干ふらつきましたが、いちおうアーケイドの過去編(たった前後編だけど)が終了しました。あくまでアーケイドは実プレイのリプレイ+αなので、こういうオリジナル展開は滅多にやらないと思います。
 といってもまたぞろMount and Bladeにハマッてしまったり、あろうことか7 days to dieのメジャーアップデートがきてしまったので、もうしばらくタムリエルの大地に戻るのは先になりそうです。
 ウェイストランドは…Fallout3は、じつは途中まで写真撮影終えてるんですが、NPCがスケジュール通り行動せず狙ったシチュエーションで写真が撮れないというので、かれこれ三ヶ月近く放置気味だという。もう適当に片付けて次の話書くべきだこれ。








 以下、アーケイド過去編の雑な補足。
 上の写真は幼少期アーケイド。背を低く、頭部と手足を若干大きめにすることで子供体型の再現をしたつもりだったが、実際にやってみるとアンバランスで非常に見栄えが悪かった。Skyrimに限らずだが、写実風のグラフィックではこういった漫画的な作画ロジックが通用しないことが多々ある。
 たとえば幼女風の顔の作り方でも、漫画のように顔のパーツを下半分に寄せるとただのバランスの悪い顔になってしまう…絵を描く人ほどこうした穴にはまりやすい。Skyrimにおける正答は顔パーツを中心に集め、顎と額を短くすることだ。首が若干長くなってしまうが、見た目で違和感が出るほどではない。額も段差修正や髪型のチョイスで違和感はかなり低減できるはず。
 そんなTips。




 アーケイドの育ての親、ビル婆さん。目の下の傷がチャームポイント。
 決して善人ではないのだが、悪人と決め付けるのも憚られる、一癖あるオバサン。決して語られることはないが、おそらく波乱万丈な人生を送ってきたものと思われる。




 アーケイドの人生を変えるきっかけを作ったギャンブラー、エイド。若干蛍光色の強い肌と、帽子がチャームポイント。
 悪党の世界に憧れなんか抱いてしまったのが運の尽き、実の父親に首を括られることになる。が、彼の性格からすればそのことを後悔したり、アーケイドを恨んだりすることはないのだろう。
 過去アーケイドが心から親友と呼ぶことのできた唯一の人間であり、彼との仕事の経験を通じて商人に転進できたことに多大な恩義を抱いている。もとよりアーケイドはドライな性格なので湿っぽい回想はしないが、それでもエイドの存在が心の比重を大きく担っていることは確かなようだ。




 撮影に関しては当初、前作Oblivionを使うか、あるいはブラックマーシュを再現したMODを入れようかとも思ったのだが、けっきょくスカイリム領内ですべてを賄ってしまった。
 ブラックマーシュに関しては現状でウォーヒン・ジャース著のアルゴニアン報告くらいしか参考にできるものがなく、ブラックマーシュを再現するMODも該当著書の描写に倣ったものになっている。
 がしかし、個人的に今回の話は都会的な場所での活躍をイメージしており、またアルゴニアン報告におけるデクマス・スコッティの経験は「一個人が短時間で遭遇したブラックマーシュの極一部でしかない」という仮定のもと、あえて「沼地に囲まれた劣悪な環境で原住民のような暮らしを営むアルゴニアン」というイメージは避けた。
 アルゴニアン報告で書かれたデクマス・スコッティの活躍からSkyrimに至るまで250年も経過していないので、その間にどれだけブラックマーシュの文化レベルが発達したのかは知る由もないが、都市部は他の国と同程度に発展しているのではないか、という根拠のない予測のもと撮影場所をチョイス。
 幸いにもスカイリム自体、決して文化的に先進的とは言い難い土地柄であったので、その点で言えばあまり悩む必要もないのではないか、という甘い見通しがあったのは事実である。
 ブルーマ以北のスカイリムも一面雪しかないってわけじゃなかったし…えっ、それは夏だからだって?うーn。

 まあ一番大きな理由は、凝り過ぎると途中でモチベーションが下がって放り投げることがわかっていたから、だったり。

 盗賊ギルドまわりの描写がただのマフィアのシノギになってますが、これはSkyrimの盗賊ギルドが実質ただのマフィアだったため。
 前作Oblivionに登場したシロディールの盗賊ギルドは絵に描いたような義賊集団で、また組員の一人ひとりが義賊としての自覚を持って行動していたので、ただの落ち目のやくざでしかないスカイリムの盗賊ギルドの姿は個人的にけっこうショックでした。
 シロディールの盗賊ギルドが特殊なのか、あるいはスカイリムの盗賊ギルドが特に落ちぶれているのかはわかりませんが、ともかく「盗賊ギルドの描写ってこれでもいいんだ」と思ったのは確かで、アーケイド過去編におけるブラックマーシュの盗賊ギルドはただのマフィアと割り切って描きました。












2016/03/27 (Sun)03:27








 俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。
 殺された前ギルドマスターのガルスと縁のある魔術師エンシルを探してウィンターホールドまで来た俺は、ちょっとしたきっかけがもとで、相棒の戦士ボルガクに自分の過去を語って聞かせていた。
 不遇な幼少期を経て、ギルドに属さない一匹狼の盗賊になった俺が、ある男と出会ったところから話は続く…










 ギャンブルには自信があり、しかもその日の夜はツイてたこともあって、俺は誰にも負ける気はしなかった。事実、その男に会うまで俺は誰にも負けてなかったんだ。
 だが…俺は負けた。コテンパンにやられた。もちろん手は抜かなかった、金のかかった賭け事で舐めプをするやつなんかいない。しまいにはイカサマにまで手を出したが、バレるどころか、イカサマは完璧に成功したのに勝てなかった。これほどの屈辱はない。
「ちくしょう、たいした豪運の持ち主だぜ…俺もちったぁ腕に覚えがあったんだがね」
「兄(にぃ)さんネ、博打にクセなんかつけちゃダメだよ?隠しちゃいるけど、(選択肢が)五分のときに手クセが出るのは良くないね。ま、サマの仕込みはなかなか上手かったけどさ」
「…ッ!!おまえっ、気づいてたのか!?なんであの場でバラそうとしなかった」
「んー、いや…勝てると思ったからね。あのままでも」
「この野郎~…」
「せっかく知り合ったんだし、一緒に酒でも飲みましょうよ」
「おめーに毟られて金なんか残ってねぇよ」
「あっはっはっ、空の財布に穴空けさすような真似させませんって!奢りますから、ネ?」






 男の名はエイド・スターム。ブラックマーシュ北部一帯の建設業を仕切る貴族の三男として生まれたが、生来の遊び癖ゆえ父親に勘当され、いまではギデオンを根城に日々賭博に興じる放蕩者だった。
 最初その話を聞いたとき、俺は「虫の好かんヤツだ」と思った。金持ちの家に生まれ、毎日遊んで暮らしているお坊ちゃんを、裏路地でドブネズミのように生きてきた俺がどうして好きになれようか。
 ただ俺のそんな思いとは裏腹に、どういうわけかエイドは最初に会った日から間もなく俺につきまとうようになっていた。
「なんで俺についてくるんだよ…」
「兄さん、ギャンブラーじゃないでしょ?器用なところや手遣いはよく似てるけど、でも、違う。金持ちじゃないのに日中働いてるようにも見えないし、でもあの日はたいした額を持ち歩いてたね」
「何が言いたい」
「あんまり、まっとうな商売(シノギ)じゃないんじゃないの?あーいや、通報する気なんかないよ。ただ、僕も手伝えないかなー、なんて思ってさ。兄さんと一緒に仕事がしたいんだ」
「バカ言うなよ。それにおめーはギャンブルで食っていけるじゃねーか」
「それなんだけどさ、僕、あんまり生活のために打ちたくはないんだよね。あくまでもギャンブルは趣味さ。金が欲しいわけじゃない、ただ賭けが好きなんだ。それに、金のために打つようになると勘が鈍るし」
「贅沢なこと言ってんじゃねーよこのドラ息子めがー!」
 そんなやり取りが何度続いただろうか。
 どうやら俺に懐いちまったらしいエイド(後で知ったが俺より二つ年下だった)はたびたび熱心に俺を口説き、酒を奢った。
 厄介なのに目をつけられたな、と思った俺はすぐ別の街へ移ろうかと思ったが、何度かエイドと話をするうち、俺もヤツのことが気に入ってしまった。
 まずエイドが勘当されたってのはかなり真面目な話で、ヤツは無一文で家から放り出され、以後は一切の援助を受けないまま賭博の腕だけで生活してきたという。エイドはそのことをまったく気にしていなかった。
「好き勝手に生きたい、と言ったら追い出されたんだよ。だからいま、好き勝手に生きてる。まあ、そのことで誰も損はしてないから、いいんじゃないかな?」と、そう言った。
 ヤツは貴族の生まれだったが、貴族らしいところは微塵もなかった。傲慢だったり潔癖なところはなく、誰に対しても愛想良く話しかけ、風呂になんか入ったこともない連中がたむろする汚い賭場にも平気で出入りし、そしてケチなところがなく、金遣いが豪快だった。
 エイドはギャンブルで負けたことがなかった。いつも大勝ちし、他の面子から大金を巻き上げていた。それでもヤツを嫌う人間がいなかったのは、エイドは賭けで勝った金をその場で全部使っちまうからなんだ。店の客全員に酒を奢り、従業員にチップをはずみ、みんなが楽しく夜を過ごせることを何より嬉しく思う、そんな粋な大バカ野郎だった。
 エイドのギャンブルの腕は本物だった。豪運の持ち主というだけじゃなく、ゲームのルールやセオリーをすべて熟知し、巧緻に長け、カンが冴えていた。イカサマだけは絶対にやらなかったが、イカサマを使ってもあいつに勝てるやつなんていなかった。それは俺が一番良く知ってる。
 ヤツの奇特なところは、宵越しの金は持ちたがらない点だ。それがエイドの信条で、それこそが勝ち続ける秘訣だとヤツは本気で信じてたよ。
「派手に金を使って、次の日に目を醒まして、後悔するんだ。あの金があれば、まともに投資すれば一生遊んで暮らせたのにってね。毎回全部使わず、ちょっとでも貯金を続ければ相当な額が残るはずなのにってね。そうやって後悔しながら安くてまずい朝食を食べるのが好きなんだよ。ああ、ちょっとでも勝った金を残しておけば、もっと良い物が食べれたのにってね。そうやって後悔するまでが僕にとってのギャンブルなんだ。それが好きなんだよ。もちろん、本気で後悔したことなんてないね」こんなこと、マトモな人間に言える台詞じゃないだろ?
 一つだけ確かなのは、エイドには邪念ってヤツが一切ないってことだ。他人を傷つけたり、騙したり、利用するなんてことは考えようともしないのさ。そういうところを、俺はかなり気に入っちまった。
 わかった、じゃあなんか二人でやれる仕事を探そう、俺はそう言ったよ。
 エイドを盗賊稼業の相棒にする気はなかった。いままで一人でやってきたことを二人でやったところで、面倒しか増えないからな。だから二人でやるのに最適な仕事を俺は探すことにしたんだ。
 それにはまずエイドが得意なことを見つける必要があった、もちろんギャンブル以外でだ。あれこれ試しにやらせたところ、元から手先が器用だったからか、鍵開けに天才的な腕前を発揮した。盗賊の俺より早く正確だったほどだ。
 それでエイドとツルむようになって一年くらい過ぎたころ、俺は「倉庫破り」なら二人でできるんじゃないか、と提案した。エイドもそれに賛成したよ。もっとも、よっぽど無茶なことを言わない限りエイドは俺の言うことを聞いてくれたんだが。








「鍵が開いたよ兄さん、さあ早く!」
「おう、相変わらずいい腕してんじゃんよー」 


 倉庫破りの手順はこうだ。もちろん実行は深夜、人通りの少ない時間を狙って行う。
 まず倉庫を見張ってる夜警の目を盗む必要がある。俺たちは実行前の二、三日ほどを見張りに徹し、休憩や交替の時間を割り出してから、その隙を突いて素早く行動した。これが、たとえば盗賊ギルドの連中なら夜警を買収するし、荒っぽいやつなら手っ取り早く始末しちまう。ただ、それらは俺たちの流儀には合わなかった。
 夜警が目を離してるうちにエイドが鍵を開け、倉庫内に侵入。素早く品定めをし、狙った商品を盗んで脱出。あらかじめ用意しておいた荷車に乗せたら、あとは誰にも見られないことを祈りながら逃げる。




「二箱は欲張りすぎたかな?これ押して帰るのはちょっと大変だぜ」



 倉庫破りにはバランス感覚が求められる。なんてったって、倉庫には俺たちに盗んでほしがってる商品が山と積まれてるのに、たった二人で運べる量なんてたかが知れてるからな。
 もちろん人数を増やせば一回の仕事で得られる利益も増えるが、それだけトラブルが起きる可能性も高くなる。
「なあ、もう一箱くらいいいだろ?」誰かがそう言い出したら、そのチームの終わりは近いと見て間違いない。たった一人が欲をかいたせいでヘマをやらかすチームの多さときたらないぜ?
 その点で言えば、俺とエイドの関係は極めて良好だった。二人とも金に無心してたわけじゃないからな。犯罪者に金銭トラブルはつきものだが、俺たちはそういうのとは無縁だった。




「ああ~、腰が痛い」
「事務仕事は全部俺に押しつけといて、なに言ってやがる…」



 また俺たちは盗んだ商品を保管するための倉庫と、事務所も設立した。「アーク・ビル&エイド・スターム商会」は表向きは潰れた商店の倉庫から流れたデッドストック品を扱うアウトレット業者で、怪しまれないよう実際にそういう仕事をしたこともあるが、ほとんどは倉庫破りで盗んだものを訳あり商品と称して売り捌いていた。
 もとがタダで手に入れたようなものだから、格安で売っても利益は出るんだが、何も考えずに右から左へ流すだけじゃあ脳がないし、下手に安売りして怪しまれたら元も子もない。
 だから俺はまず扱う商品の相場や販路を調べ、時期や場所による売れ筋の変化を調べて値段をつけるようにした。また取引先との関係を大事にし、怪しい故売品業者ではなく、まっとうなビジネスパートナーとして認めてもらえるように努力した。毎日が勉強だったよ。
 アーク・ビル&エイド・スターム商会という名前は長いってんで、大抵の顧客はアーク&エイド( Ark & Ade )商会、もっと酷くなるとアーケイド商会なんて呼ぶようになってたな。ま、そういうことだ。

 また本来、倉庫破りは盗賊ギルドの領分だから、今回ばかりは盗賊ギルドの許可を得ないわけにはいかなかった。さすがに一人でコソコソ他人の家から宝石一つ二つ持ち出すのとはワケが違うからな。連中は物乞いを情報屋として利用し、俺もガキの頃に使いっ走りをやったことが何度かあったから、連絡の取り方は心得てた。
 けっきょく許可を得るのに売り上げの七割を上納金として払う破目になったが、それでも上納金の値上げと接待は無しって条件だけは飲ませたから、まあそう悪いもんでもない。なにより衛兵に嗅ぎつけられるだけでも厄介なのに、盗賊ギルドに狙われる心配までしたくなかったよ。上納金さえ払えば、逆にギルドからは保護されるわけだからな。
 しばらく商売を続けて軌道に乗ったあたりで、俺たちがいつも利用する飯屋に盗賊ギルドの監視が混じってることに気づいた。俺たちが上納金を誤魔化そうとしてないかどうか見張ってたんだな。俺にとってはチャンスだった。
 俺はそいつを引き込み、月に金貨50枚払うから、ギルドへは本来の売り上げの五割の額を報告しろ、と提案した。そいつは新入りのギルド員で、組織の忠誠心が厚いというより嘘がばれたときの処分が怖いっていう有様だったから、俺はちょっとしたレクチュアをしてやらなけりゃならなかった。
「一つ確認しておきたいが、お前以外のメンバーが似たような手口で金を受け取ってないと思うか?なんでギルドが保護下の商店に法外な上納金を吹っかけると思う?それは金額が誤魔化されることを最初から計算に入れてるからさ。そうすれば相場通りの金額に加えて部下が小遣い銭を稼げるって寸法さ。もちろん、ギルドにとって一番好ましい商売相手は上納金を満額払うマヌケ野郎だが」そう言ったら簡単に落ちたよ。

 そういう、ちょっとしたヤンチャ以外じゃあ極めて慎重に仕事を続けてたんだが、裏の仕事ってのはなかなか長続きしないもんでね。
 四年後、俺とエイドは仕事中に待ち伏せを受けた。




「これは…灯火の魔法!ワナだッ!!」



 べつに油断したわけじゃない。仕事を甘く見てたわけでも、ヘマをしたわけでもない。ただ四年間仕事を続けてきて、俺たちの悪事を嗅ぎつけて罠に嵌めようとするやつがいるってことまでは考えなかった。
 それにしたって、泥棒を罠に嵌めるならわざと警備を手薄にするとか、簡単な獲物、カモだと思わせて誘い込むのが常套手段ってもんだ。だから、そういう嵌め手は勘の良いヴェテランなら「クサい」と気づいて手を引くし、俺だって身の危険を感じて中止しただろう。
 だがそのときは違った。警備なんか普段より厳重だったほどだ。エイドも普段より鍵開けに苦戦し、ようやく侵入して品定めをしているときに、待ち伏せしていた連中に襲いかかられたんだ。
 それでも俺はなんとか逃げることができた。だが屋根から屋根へ飛び移る盗賊だった俺とは違い、鍵開けが得意なギャンブラーでしかないエイドが武装した私兵集団の手を逃れることは不可能だった。そして…連中の本命は俺じゃなくエイドだったんだ。

 待ち伏せしていたのはスターム卿…エイドの親父さんと、彼が雇った傭兵だった。
 息子を勘当してからも秘密裏にその動向を監視し続けていたスターム卿は、俺たちが新しく始めた商売についての調査を進めていた。盗賊ギルドともコネがあって、俺たちがギルドから特別な許可を得て商売をしていることを探り当てたんだ。倉庫破りの情報はギルドから漏れたんだよ。衛兵よりも手が早かったわけだ、まったく。
 放蕩息子がただの遊び人ではなく犯罪者だと知ったスターム卿は身内の恥を処理するため、衛兵には手出しをさせず、盗賊ギルドも黙らせて俺たちを自分の手で捕まえようとした。

 さて…スターム卿はエイドをどうしたと思う?
 犯罪者として一族の名に泥を塗ったろくでなしを、さんざん怒鳴りつけて、大馬鹿者と罵り、それでも血の繋がった親子には変わりないから、最後には許してやったと、そう思うかい?
 俺はそう思ったよ。そうであればいいと思ってたよ。所詮は金持ち貴族の余興、一族の人間をそうそう粗末に扱うはずがないと、そう思ってたよ。






 沼地で裸のまま両手を後ろに縛られ、頭に黒い頭巾をかぶせられて首を吊られたエイドの死体を見るまではな。

 エイドは処刑された。それも、残酷な方法で。
 スターム卿はたとえ身内であっても、犯罪者には容赦しないと証明したんだ。そうやって一族の名誉を守ったんだ。
 決して、楽しんで処刑したわけじゃない。喜んで厄介払いをしたわけじゃない。
 スターム卿は自分でエイドの首に縄をかけ、吊るした。そして見せしめに死体を放置した。死体は鳥の餌になり、日に日に酷く損壊していった。それを見て、スターム卿は号泣したらしい。

 俺にはどうすればいいかわからなかったよ。
 ビル婆さんが殺されたときは判断が簡単だった。だが、これは…あの時とは違う。
 たしかにエイドは俺にとって可愛い弟分だったが、それでも血の繋がってない赤の他人だ。これは、あくまでも家庭の…家族の問題なんだと、俺は思ったよ。俺が口出しできる問題じゃない、とね。
 俺にはわからなかったよ。スターム卿は自分の手でけじめをつけたんだ、ということはわかったが、それでも自分の息子を殺す父親の心情なんて、俺には理解できなかった。そんな俺に、どうして彼の行いが過ちであると断定できる?

 もっとも他人事で済まされないのは、俺のことをスターム卿が息子を犯罪者の道に堕とした張本人だと思い込んでいたこと、俺たちの悪事をすべて衛兵側に漏らして俺の首に懸賞金を懸けさせたことだ。一夜にしてお尋ね者になった俺は事務所に金を取りに行くこともできず、盗賊ギルドに事態の動向を窺うことしかできなかった。
 盗賊ギルドとしては、正規のギルド員ではない俺との関係を疑われるのは避けたいらしかった。衛兵は俺が盗賊ギルドと結託して商売していたと思い込んでいるし、今回の件をきっかけに盗賊ギルドを検挙する腹積もりだったから、俺が捕まったらどんな証言をさせられるかわかったもんじゃない。
 そういうわけで、スターム卿には悪いが、ギルドとしては俺に無事逃げて欲しいっていう話だった。俺はギルドの手引きで港に停泊している奴隷の密輸船に下働きとして乗り込み、そのままシロディールへと向かった。






 港湾地区一帯は完全に盗賊ギルドの支配下にあって、衛兵隊でも迂闊に捜査の手を伸ばすことができなかった。だから俺が無事に逃げられたんだ。もし陸路で国境を越えようとしたら、確実に捕まってただろう。
 奴隷密輸船の環境は酷いもんで、俺は厨房で働きながら、虚ろな目で自分の人生を受け入れた、襤褸切れを纏った奴隷たちの姿を見ていた。子供も多かったよ。だが、彼らを可哀相だとは思わなかった。俺が思ったのは、俺がいままでの人生で一度でもヘマをやらかしていたら、俺も彼らの一員に混じってただろうってことだけだ。もしそうなっていたら、どんな気分で未来を憂いていたんだろう、とね。

 密輸船はシロディールのアンヴィルに停泊し、俺は下船してからそのまま姿をくらました。
 しばらくは元の盗賊稼業に戻ってたんだが、なんというか、俺は以前と違ってもう盗みにスリルも楽しみも感じなくなったことに気づいてね。それよりも事務所経営で顧客を相手に商売していたときのほうが楽しかったことに気づいて、これからは盗賊じゃなくて商人としてやっていこう、と思ったんだな。
 倉庫破りをやっていたときに経営学について勉強し、仕事を通してノウハウを学んでいたから、自信はあったよ。それにもう、俺は犯罪に加担しなくてもやっていけるんだ、という自覚を持てたのが純粋に嬉しかった。
 シロディールに着いてから俺は、ビル・アーケイドと名乗るようになっていた。アーク・ビルだったときもそうだが、もともと名前のない俺だったから、親しかった人間の名前を忘れないよう自分に重ねるのはなんというか、ロマンチックだと思ったんだよな。もちろん、これ以上長くしたいとは思わないけどね。






 二年ほどシロディールを放浪して行商人として生活してたんだが、まあ、厳しいことも多かったね。なんたってアルゴニアンの商人だ、そんなやつを誰が信用する?カジート・キャラバンのほうがまだマシだ、それでも俺は地道に商売を続けて、顧客の信頼を得ていった。
 やがてモロウィンド出身の錬金術師に会った俺は、ハンマーフェルの火山地帯で採れる硫黄の鉱石が欲しいという依頼を受けたんだ。かなりいい額の報酬を提示されてね。で、ハンマーフェルくんだりまで材料を集め、依頼主の待つモロウィンドまで向かってたんだが、スカイリムの国境沿いに移動してたのがマズかったんだな。
 俺は国境付近でストームクロークと帝国軍が小競り合いしている場面に出くわしちまって、ストームクロークの協力者と間違われて連行され、荷物をすべて取り上げられたうえヘルゲンで処刑されかけた。そのとき、ドラゴンを見たんだな。










「ま、そっから先はボルガクさんも大体知ってる通りですよ」
「うむ…」
「雇い主が犯罪者だったと聞いて幻滅したかい?俺のことが嫌いになったなら素直にそう言ってくれ、その鎧を返せなんて言わないからさ」
「酔っているのか?私はお前を聖人君子だと思ってついてきたわけじゃないぞ」
「それもそっか」
 さすがに長話が過ぎた、今日はもう寝よう、と言って借りた部屋へ向かおうとする俺の背中に、ボルガクが言葉を投げかけた。
「ところでその話、しょっちゅう誰にでも聞かせているのか?」
「まーさか、今日が初めてだよ。いままでこんな話をしたことも、したいと思ったこともないね」
「じゃあなんで私に話した」
「…なんでだろうね」
 実際のところ、酔った勢いと言えばそれまでだが、それでも相手がボルガクでなければ話すことはなかっただろう。
 その理由までは、俺自身にもよくわからなかったが。





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2016/03/21 (Mon)05:40





 俺の名はアーケイド、アルゴニアンの商人だ。今回はすこし昔話でもしようか。

 俺はブラックマーシュ南部のリルモスという街で生まれた。らしい。
 詳しいことはわからないが、生まれたばかりの俺は麻袋に入れられて街外れの井戸のすぐそばに捨てられていたというから、たぶん、そうなんだろう。そんなわけだから、俺は実の両親の顔も名前も知らない。
 赤ん坊を捨てたのは経済的な理由か、あるいはもっと複雑な何かがあったのかは知らないが、俺の実の母は、俺の入った麻袋をそのまま井戸の中に放り投げるほど冷酷にはなれなかったらしい。井戸は街の共有財産だから、それを汚すことに抵抗があったのかもしれないな。






 俺を拾ったのはビル婆さんという、偏屈なことで有名な物乞いの老婆だった。
 有り難いことに、ビル婆さんが俺を拾ったのは気紛れや優しさなんかじゃなかった。物乞いをするのに、捨てられた赤ん坊という小道具が役に立つと思ったからだ。他人の同情を買い、赤子のためにも金を恵んでやろうって気にさせるためにね。物乞いでありながら捨て子を養う心優しい老婆の力になってやろうって気にさせるために。
 赤ん坊が食べる量なんてたかが知れてるから、損をすることなんて有り得なかった。それでもおしめの交換のことには頭が回らなかったらしく、俺がおむつを汚しては、しょっちゅうビル婆さんに殴られてたよ。「てめぇで汚しといて、なに泣いてんだ!」ってな。
 そんな環境だったから、俺は自分で金を稼ぐようになるまで、腹一杯に飯を食ったことがなかった。ただビル婆さんだって、俺のためにマシなことをしてくれたこともある。たとえば、そう、名前をつけてくれたこととか。
 ビル婆さんは俺を「アーク」と呼んでいた。なにか意味があるのか、たんなる思いつきか、あるいは昔の男の名前だったのかは知らないが、俺自身も、その名前はけっこう気に入っていた。






 物心がついて、ある程度自分でものを考えられるようになると、俺はスリや泥棒で金を稼ぐようになった。親を知らない、物乞いに育てられた浮浪児が、ほかに金を稼ぐ手段なんてなかったからな。俺にしたって、金持ちになりたいとか、遊ぶ金が欲しいなんて考えてたわけじゃない。ただ、腹一杯に飯が食いたかっただけなんだ。
 もちろん、最初から上手くやれたわけじゃない。盗みのコツもノウハウも知らなかったから、しょっちゅう捕まっては、袋叩きにされたもんだよ。さすがに街の連中も浮浪児を衛兵に突き出すほど無慈悲な連中じゃなかったさ。腕を折られかけたことはあったけどな。
 ボコボコに殴られて唾を吐きかけられながら、俺は、「次こそはもっと上手くやってやる、俺をコケにした連中、俺より裕福な連中を見返してやる」っていう、恨みを原動力に独学で盗みの技術を磨いていった。
 どうにか自分で飯代を稼げるようになると、俺はビル婆さんのもとへはあまり寄りつかないようになっていた。そもそも、もう一緒にいる理由もないし、ビル婆さんも、薄汚れた犯罪者のガキと家族ごっこを続けたいようには見えなかった。
 しばらくビル婆さんとは疎遠になっていたが、あるとき、気紛れというか、虫の報せだったのか、たまたま会いに行こうと思ってビル婆さんのもとを尋ねたんだ。






 ビル婆さんは殺されてた。俺を拾った井戸のそばで。腹を鋭利な刃物で切り裂かれて。
 浮浪者仲間から情報を集めたところ、どうやらビル婆さんは俺への報復がわりに殺されたらしかった。このときにはもう俺はかなり素早くなっていて、ちょっとやそっとじゃ捕まらないようになってたから、それに業を煮やして、かわりに親代わりだったビル婆さんを殺したんだろうって話だった。
 犯人もすぐに特定できた。街で雑貨屋を営んでいる親父だ。俺は以前そいつに殺されかけたことがあって、その恨みもあって、そいつの店は割と執拗に狙って盗みに入ってたんだ。恨まれるのももっともだ。その親父は鍛冶屋に特注で造らせた鋼のダガーをいつも自慢げに腰にぶら下げてた。人間の腹なんか容易く切り裂けそうな、よく研がれたダガーを。
 復讐すべきだ、と俺は考えた。べつにビル婆さんのことはそれほど愛してたわけじゃなかったが、それでも俺を拾って育ててくれた、この世でただ一人の身内を殺された落とし前はつけなきゃならないと思ったよ。
 それに、恨んでる相手に歯が立たないから、その関係者を殺すなんていう卑怯な手を使われたことにも腹が立っていた。一番腹が立ったのは、それを「善良な市民」がやったことだ。
 相手がやくざなら、それほど腹は立たなかっただろうさ。それが裏社会の流儀ってやつだからな。だが、善良な市民なら話は別だ。善良な市民は、泥棒の被害に遭ったら衛兵に通報して、あとは衛兵に任せておかなきゃならないんだ。それ以上の行為は分を越えるってもんだ。
 善良な市民は、報復に人を殺すなんてことをしちゃいけないんだよ。そういうやつが周囲から善良な市民として扱われていること、善良な市民を自称していることが、俺には我慢ならなかった。人を殺しても善良な市民でいられる存在が。
 …生まれたときから社会のクズとして扱われてきた身としてはな。生まれただけで存在そのものを否定されてきた身としては。

 一ヶ月かけて俺はヤツを監視し、生活パターンを把握した。
 そして夜中、酔っ払った雑貨屋の親父が酒場から出てきたところを追跡し、人の気配がなくなったところで俺は素早く駆け寄り、親父が腰にぶら下げてる鋼のダガーを鞘から抜き取った。
 たぶん雑貨屋の親父はそのまま逃げられると思ったんだろうな。あくまで窃盗が目的だと。だから逃げようとはせず、逆に俺を捕まえようとしてきた。






 そのまま、俺は雑貨屋の親父の腹にダガーを突き刺した。そして腹を横一文字に切り裂いた。
 動揺はなかった。後悔も。そして、怒りも。
 雑貨屋の親父を殺したときの俺の頭は冷静そのものだった。もう相手に助かる見込みはないとわかると、それ以上に傷つけようとも思わなかった。ただ、やるべきことをやったという自覚のみがあった。
 もちろん人を殺した以上、俺はその場にはいられなかった。それどころか、俺はもうこの街にいられなかった。まだ犯人だとばれたわけじゃないが、疑われるのは時間の問題だ。それに唯一の身内を失った以上、この街に居続ける理由もなかった。
 俺は街を出て、あてのない放浪をはじめた。十四歳のときだった。










「前が見えねぇーッ!」
 舞台はかわって、現代のスカイリム。
 盗賊ギルド前マスターのガルスが遺した手がかりを究明するため、俺と相棒の戦士ボルガクはウィンターホールド大学を目指して旅を続けていた。
 さんざん寄り道したせいで、近づくどころか逆に遠回りをしたこともあったが、どうにかウィンターホールドの街に到着した俺たちはすぐに宿屋へ直行し、身体を温めることにした。






「オヤジ、リーキのグリルとエールを頼むよ!しっかしこの寒さ、なんとかならないもんかねェー?ブラックマーシュの生暖かい気候が懐かしくなってくるよ」
「カジートみたいなことを言うな相棒。故郷に帰りたくなったのか?」
「帰りたい、と思ったことも、なくはないけどね…」
 ボルガクの言葉に、俺は若干口を濁らせる。
「じつは俺、故郷(クニ)じゃ指名手配されててね。帰るに帰れんのよ」
「…お前~…なにやらかした?コロシか?」
「違う違う、そんなんじゃないって。俺の昔の商売に関係あることなんだけどね、そうだな…たとえば、たまに雑貨屋で特売のセールをやってたりするじゃん?ああいうの、元の商品をどうやって仕入れてると思う?」
「製造元が多く作りすぎたのを安く買い叩いたとか、仕入れる数を間違えたとか?」
「もちろん、それもあるけどね。ただ製造や発注のミスはそうそう起きるもんじゃない。俺はね、そういうのとは関係なしに、安くセール品を卸す業者をやってたんだよ」
 エールをぐっと飲み干し、俺は言葉を続けた。
「俺はね…倉庫荒らしだったんだよ」










 リルモスを出た俺は、ブラックマーシュを北上しながら盗賊の旅を続けていた。この時期、俺は「アーク=ビル」と名乗っていた。アカヴィルのもじりか、なんて言われたこともあったな。そんなこと考えもしなかったけどね。
 俺は半年以上、同じ街には留まらなかった。盗賊が顔を覚えられたらまずいからな。
 当時の俺は盗賊としての腕にはけっこう自信があって、余程のヘマをしない限り、まず捕まることなんかないと思ってたよ。衛兵なんか怖くなかったね。
 ただ、じゃあ何も怖いものなんかなかったのかっていうと、これがそうでもないんだな。





 俺が恐れていたのは衛兵じゃなく、盗賊ギルドの連中だった。
 ヤツらにしてみれば、ギルドメンバー以外の人間が領土内で盗みを働くってのは、ナワバリ荒らし以外の何物でもないわけだ。盗賊に限らず、裏社会じゃ一匹狼は何よりも忌み嫌われる存在さ。それは、基本的に単独主義の犯罪者たちが徒党を組んでる理由を考えればわかるはずだ。
 だから俺は衛兵に捕まることより、ギルドに睨まれないことに気を遣っていたね。ただ連中の情報網は凄いものだから、「アーク=ビルとかいう余所者が街を転々としながら盗みを働いている」という情報は把握してるだろう、と思ってたよ。
 俺は自分の正体を隠そうとはせず、ただ「やり過ぎないように」注意を払った。盗みに入ったらまずその建物の中で一番「高価」なものを探し、「そいつだけは盗まないようにする」とかね。要するにギルドの連中に、「わざわざ自分たちが出る幕じゃない。あいつは物の価値もわからないヘッポコ野郎だ」と思わせておきたかったのさ。

 もちろんギルドに加入すれば、そんな余計なことに気を遣わずおおっぴらに盗みを働くこともできただろう。だが、俺はどうもそんな気にはなれなかった。犯罪結社といっても、物乞いに育てられた浮浪児の居場所があるとは思えなかったしね。
 そんな思い込みを捨ててギルドに入ってれば、ひょっとしたら俺は自分の居場所や、新しい家族と呼ぶべき存在を手に入れることができたのかもしれない。ただギルドに入るってことは、その先の人生をずっと盗賊として生きることを意味する。それは御免だった。
 とはいえ他にやりたいことがあったわけでもないが、俺が望んでいたのは金じゃなくささやかな自由だったから、それで良かったんだな。それに、自分の居場所や家族なんてものにも興味はなかったし。

 十九歳のとき、俺はブラックマーシュ西端の街ギデオンにいた。
 「高潔なる黒狼」という名の宿の地下で高レートの違法賭博が催されている、と聞いたんで、俺は盗賊稼業で膨らんだ財布を腰にぶら下げて様子を見に行ったんだ。
 アウトローの例に漏れず、俺も賭け事は好きだった。盗みのワザとともに、ギャンブルのワザについても随分と学んだものだよ。イカサマの技術比べなんか、盗みと同じくらいにスリリングな瞬間だね。
 地下の賭博場で俺は連勝して、そのときはもう、誰にも負ける気がしなかったよ。
 そんなとき、俺に声をかけてきたやつがいた。






「やあ兄さん、随分と調子が良さそうだね。どうだい、僕と一勝負してみないか」
 それが、ヤツとの…エイド・スタームとの、運命的な出会いだった。



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 どうも、グレアムです。ひさしぶりのSkyrimです。
 今回はアーケイドの過去編です。ようやく設定が固まったので、二回に分けて送る予定であります。話自体はけっこう前に出来てたんですが、じつはアーケイドがECE導入前に作ったキャラで、写真撮影のためにECE環境で一度作り直す必要があったんで、それが面倒臭くてちょっと放置してたんですよね。
 次回、ブラックマーシュから逃れてスカイリムに辿り着くまでのいきさつを描きます。













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